◆現代俳句女流シリーズ燦II
花うばらあるがままなる里の雨
「和楽の情景俳句」がじんわりと伝わり、人と自然が融合し、俳句という詩の和魂が滲み出ている。穏やかな心や平和への願い、謙虚で慎ましい道給さんの句柄が裏側で通っている。
（序より：小澤克巳）
◆自選十句
老いてなほ素直にならむ初日記
山峡に歓喜の響き雪解川
雨水かな水琴窟の音色にも
虚と実に生くる日々あり黄水仙
木々芽吹く寺門に吊りし大草鞋
見晴るかす植田となりし藍の里
父母の追善供養著莪の花
曼珠沙華田舎教師の百年忌
一陣の風来て散らす冬ざくら
冬麗の急がず歩めと羅漢さま
*
[みちきゅうかずえ（1926〜）「遠嶺」同人]
序：小澤克巳
栞：長嶺千晶
装丁：山岡有以子
Ａ５判上製本カバー装
112頁
2009.11.21刊行
