◆第一詩集
八柳李花さんの詩の中には、われわれの詩がいまこのように書かれている、ということの、もっとも高い稜線の一つが示されている。詩がいまこのように書かれている、ということには、詩はかつてこのように書かれたのではなかった、ということと、未来においてこのようには書かれないだろう、ということが同時に含まれている。一人の詩人の出発を告げる詩集の栞に、私は「光の中へ」という言葉を書き付けるが、光は過去からも来るし、なによりも「彼方」から来るのだと思う。
(「光の中へ」栞より:瀬尾育生)
◆「e-clipse」より
お兄ちゃん、とは
呼ばわれなかった、それは言い訳であろうか
エゴノキが雪のように花を落とす
*
[やつやなぎりか(1986〜)]
栞:瀬尾育生
装丁:柚子谷夏子
B6判ペーパーバック
100頁
2009.10.26日刊行