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◆詩情豊かに
白鳥の湖となりけり一羽着き
先着の一羽に、やがて白鳥の群れる湖を連想させ美しい。
冬帽子決意の眉を隠したる
寒さで目深にかぶっているのではなく、「決意の眉」を隠すためであるという。
あらたまの年のはじめの闇の艶
年のはじめの闇の艶に、艶なる世界への展開を思わせる。
<七曜の星の潤みて誓子の忌>
があるように、誓子に学んだ筋金入りの作者である。
(帯より・鷹羽狩行)
◆鷹羽狩行抽出
天界の風を知らざる飾り凧
後手後手の一日なりし髪洗ふ
名木に雪吊といふ縄の枷
使ふことなくて納める雛調度
一枚がどうにも脱げぬ今年竹
全身を枹に祭の太鼓打つ
湖のくびれに沿ひて灯の涼し
大泣きのぴたりと止まるさくらんぼ
一見を拒むごとくに麻暖簾
雛市の雛に見られて疲れけり
*
[みしまやちほ(1932)「狩」同人]
鑑賞四句・序句・帯文:鷹羽狩行
跋文:西宮舞
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
204頁
2009.10.20刊行