[在庫僅か]と表示される商品はお手数ですが、在庫をお問合せいただきご購入下さい。「在庫あり」と表示されていても品切れの場合がございます。
◆第一句集
太宰の恋白薔薇ひとひらづつ毀れ
ここには三十代から四十代に入る一女性の、主婦として、更に主婦を脱け出しての微妙な心の綾が、いささかの翳りを帯びつつ詠まれている。季語を大切にし、その本情を生かしながら、(中略)より深い処で詩因を捉えて一句に定着することを試みている。詩情が新鮮で、詩的感受性が鋭い。
(序文より・鍵和田ゆう子)※ゆうは「禾由」です。
◆自選十句
月光浴びぐるりと動く胎児かな
産後の身どこか冷たく冬薔薇
永き日や傷持つ鶏に愛さるる
金木犀本音を吐けば夜の重く
冬菜あをあを戦ふこころ目覚めたり
蓮めぐり家族写真に寄り合ひぬ
無心とは眠たくなりぬ杜若
縦横斜め天狗の下駄を蟻走る
秋澄むや遠くばかりを見て疲れ
白鳥のこゑ遠く置く夕べかな
*
[しまぬきめぐみ(1960〜)「未来図」同人]
序:鍵和田ゆう子(※ゆうは「禾由」です。)
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装グラシン巻き
224頁
2009.09.17刊行