◆第二句集
家が鎌倉に近いので、昭和五十二年に俳句を始めて以来、鎌倉へは四〇〇回を越えて吟行することになりました。その間、石鼎先生以来の鹿火屋のすぐれた伝統の中で、楽しく句作りを続けることが出来ましたことを何よりの喜びと思っております。
(あとがきより)
◆収録作品より
踏青の果に白波砕けをり
花人の遠まなざしとなりゐたる
駈込寺片白草の日暮かな
梅雨の夜やワインボトルに灯影たち
満天星の朱ヶ尽くすとき日が翳り
草紅葉クルスの寺の磴を踏む
万両のこころ満ちたるごと赤し
ジングル・ベル地上に灯あふれさす
矢を放つ間合のなかの寒椿
人恋ひの夜はどんどに加はれり
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[はやしたかし「鹿火屋」同人]
装丁:奥川はるみ
四六判上製カバー装
144頁
2009.09.17刊行