◆第一詩集
さびしいという声を何度も聞いた気がした。でも、さびしいけどさびしくない、という突き当たりの感触もある。そのふしぎな天秤が、遠いところで、一瞬、微かにつり合うことが、詩集『耳のなかの湖』の発見のひとつだろう。
(栞より・杉本真維子)
◆収録作品・目次
はじまりの森
白と赤の双子の話
三月の失踪
天上の卵
夜の苗
蛇口から白い小鳥
骨髄の海
ほどける耳
あの雨降りやまず
月の光
三十六度三分の
からっぽ
胸に抱えたガラスの林檎の話
それは雨ではなくて
終わらない夕方
水の陥穽
花びらフル
廻栖野
目眩
*
[うらかなこ]
栞:杉本真維子
装丁:毛利一枝
装画:ニコレッタ チェッコリ
A5判並製カバー装
112頁
2009.09.24刊行