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◆第一句集
内容はあの昭和を生き抜いて来た極楽トンボの「老人日記」……多少でもそんな所が投影されていれば幸いです。ご笑覧賜われば嬉しいです。
（あとがきより）
◆収録作品より
鞦韆を漕ぎ遠き日の風の中
母の来て沈丁花の香に包まるる
ひとり旅絹のスカーフなほ余寒
リラ匂ふ木立の奥のカフェテラス
ラムネ玉コロコロ鳴らし一人旅
蛍の夜こんなに近く君気配
あるがまま老いて行かうか虫時雨
ノクターン流れて木犀匂ふ夜
老い二人頬火照らせて蟹雑炊
不整脈消えて眩しき冬の空
*
[うえだやすと（1929〜）「葉の会」所属]
四六判上製カバー装
装丁：?柚子谷七月子
88頁
2009.09.10刊行
