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◆第三句集
句集『女正月』は、『初夢漬』『有馬籠』につづく銭谷ふささんの第三句集。
先年主人を失われたふささんも、善意の人たちに囲まれて頗る仕合わせ且つ平穏である。身の周りに慕ってくれる昔の教え子たちがあり、料理のお弟子さんがあり、ワインの友達がある。そして何よりも心の拠り処に俳句がある。第四句集がどうなるのか私は今から気がかりである。
(序より・後藤比奈夫)
◆著書より
シヤンパンのグラスに浮かべ室の花
マンシヨンの仲よし集ひ女正月
スペインのシエリーに酔ひて春深し
河鹿鳴く仁川恋しと語り草
逆瀬川雨の螢の二つ三つ
敬老の日の子の誘ひ有馬の湯
名シエフのとろりと甘き栗スープ
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[ぜにたに・ふさ(1922〜)「諷詠」同人]
序文・題簽:後藤比奈夫
装丁:君嶋真理子
四六判上製函装
134頁
2009.07.17刊行