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金子美津子句集『春の夢』 [9784781401454]

販売価格: 2,476円(税別)

(税込: 2,724円)

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◆季節の感情
襞といふ美しきもの春ショール
この表現から、雪の富士山の襞のように美しいショールが想像されてくる。
夏痩せて匂ひに敏くなりにけり
夏ばてすると五感も鈍くなるはずだが、嗅覚は逆に鋭敏になることを発見した。
かりがねや疎遠となりし人の数
親しかった人のことがしきりに思い出される秋。渡り鳥のもの悲しい声のせいか。
一句一句に季節の感情が湛えられている。俳句は季節の詩であることを如実に示す。
(帯より・鷹羽狩行)

◆田口紅子抽出10句
生者より死者の鮮やか春の夢
襞といふ美しきもの春ショール
蒲公英の絮吹く誰とも話さぬ日
川風にいつか潮の香舟遊び
夏痩せて匂ひに敏くなりにけり
わが荼毘の炎となれよ曼珠沙華
笛の音にかしづかれ月上りけり
かりがねや疎遠となりし人の数
音といふ音を吸ひ込み樹氷林
身の内の声ならぬ声虎落笛

*

[かねこ・みつこ(1949〜)狩同人]
序句・鑑賞三句・帯文:鷹羽狩行
跋文:杉良介
10句抽出:田口紅子
装丁:奥川はるみ
四六判上製カバー装
204頁
2009.06.29刊行
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