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◆第一句集
桜散る天の雫のように散る
本句集巻頭の句である。この句、表現としては何の計らいもない直截な表現であるが、散る桜を「天の雫のように」と表したところに作者の思いの熱さが感じられていい。
(序より・桑原三郎)
◆自選十句より
少年の拳は赤い薔薇である
妖精のため息カラスウリの花
遠くまできて悴んでいるライオン
冬眠る胎内深く神獣鏡
観音のようなり阿蘭陀海芋なり
伊予柑は光で包むものなるべし
梅雨茸あぶらかだぶら軽き飢え
夜汽車にも濃淡のあり菊枕
月下の猪人になついておりにけり
牡丹雪のような声出る非常口
*
[くの・やすこ(1946〜)「犀」・「遊牧」会員]
序:桑原三郎
跋:塩野谷仁
装丁:君嶋真理子
四六判並製フランス装
168頁
2009.07.25刊行