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◆第二句集
夏果の卓に海洋深層水
人生を愛し、句を愛することにおいて、これほどの達人に私は会ったことがない。
(栞より・櫂未知子)
◆自選十五句より
芒種かな石包丁に穴ふたつ
ラ・フランス写楽に描いてもらおうか
青き薔薇活けし瓶あり銀河系
角切の波打つ腹を仰向かす
黒々と鯉が沈めり大試験
父の日やライカに触れし冷たさも
山の子の飛込みの泡とめどなし
夏果の卓に海洋深層水
梟に腕あらば腕組むならむ
水涸れてポケット版の鳥図鑑
*
[ひろわたりたかお(1951〜)「沖」同人「青垣」会員]
栞・櫂未知子
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装グラシン巻き
184頁
2009.07.05刊行