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■週間俳句で上田信治さんが書評を書かれています。
[追悼・今井杏太郎]『自己消失のよろこび』
◆答えは風のなかにある
眼前の風景を切り取るのは俳句の技法だが、そこに永遠の時間を見出すのは俳句の思想である。この思想を共有するには、風に吹かれるように句集を読んでもらうのがいい。
ボブ・ディランによれば、答えは風のなかにある。
(栞より・仁平勝)
◆第五句集
「日本の伝統的な文化は、侘寂(わびさび)である」という人が多い。それならば、俳諧は何か…。
芭蕉さんは、「俳諧は軽みである」とおっしゃっている。
「軽み」とは何か、と思い続けていたが、ある夜ふっと、「軽みとは、儚さなのではないのか」と思いついた。すなわち、
淋しさに咳をしてみる。
(帯より・杏太郎)
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[いまいきょうたろう(1928〜)]
栞:仁平勝
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
148頁
2009.06.23刊行