[在庫僅か]と表示される商品はお手数ですが、在庫をお問合せいただきご購入下さい。「在庫あり」と表示されていても品切れの場合がございます。
[立ち読みする]
◆第1句集
ひと夏を過ごす二階の書棚かな
友邦さんは富士の見える東京近郊の谷戸に住み、いくばくかの畑を丹精し、夜は灯火の下で本を読みふける。父母の墓の近くに暮らし、妻をこよなく大切にし、社会に出た子供を思い、近所とはほどほどに付き合う。
リタイア後の穏やかな生活を、その日常性のままに俳句にする。目新しいことは何もないのに、そこにおのずと人生の滋味がにじんでいる。
(帯より・小川軽舟)
◆小川軽舟抄出
千歳飴谷戸から富士がよく見えて
冬の山麺麭を齧りに登りけり
定年のその後の日比谷雪催
はたらきに来て学校の辛夷かな
秋口と思ひ卵をこつと割る
春灯男子の書きしもののみ読む
白木蓮やすぐ引つ込みし顔ひとつ
じやがいもの花や東京行始発
本持つて二階へ上る夜の秋
春祭決りの銭を出しにけり
*
[はぎわら・ともくに(1928〜)「鷹」同人]
序・小川軽舟
跋・奥坂まや
装丁・山田朝子
四六判並製フランス装
186頁
2009.05.24刊行