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◆句歌集
さらに自らの進むべきジャンルを絞り、いのちをかけた表現のあり方をとらえて行くことを期待している。表現活動は、いつでも常に途上にあり、脱皮・変身していくもののようだ。感性ゆたかな藤村さんの新たな転機と、これからのいのちの河の流れの広がりが楽しみである。（帯より・武藤鉦二）
◆自選１０句
長い長い非常階段さくら舞ふ
逢ひたくて白き桜の走りけり
誰も来ぬベンチに花の雨しきり
青りんご未来かじつてゐる少女
原爆忌地球の土に種を撒く
まだ解けぬアリバイひとつ熱帯魚
秋澄めば子はみな雲に乗りたがり
月明かり火照る手に受く化粧水
粉雪は天から降りてくる手紙
いちにちを静かに消して冬銀河
*
[ふじむら・よしこ(1961〜)「銀化」所属]
跋文・武藤鉦二
装丁・山田朝子
四六判上製カバー装
254頁
2009.05.30刊行
