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◆現代俳句文庫シリーズ
夕顔ほどにうつくしき猫を飼ふ
知的でありながら、もの柔らかで自然な句の世界を創り出す山本洋子の句集。
◆収録作品
『當麻』(抄)
『木の花』(抄)
『渚にて』(抄)
◆収録作品より
小鳥屋が堅き戸下ろす月の町
早き瀬に立ちて手渡す青りんご
藍染める終始春寒時計の音
春服や芝生の濡れに雀降り
阿弥陀像に入口ひとつ花の風
掛け時計はづせしあとや雁渡る
土に下ろされて仔猫の尾が立ちぬ
峰雲や赤子を立たす膝の上
雛の日の干物胸にとり入れる
水神の花括らるる日蔭かな
*
[やまもとようこ(1934〜)]
解説:大峯あきら 茨木和生 澁谷道
装丁:スタジオ・ギブ
表紙写真:武内理能
四六判ペーパーバック
104頁
1995.09.10刊行