[在庫僅か]と表示される商品はお手数ですが、在庫をお問合せいただきご購入下さい。「在庫あり」と表示されていても品切れの場合がございます。
[立ち読みする]
●第一句集
この一集は読み進めてゆくうちに、現実と夢の狭間を浮游するかの不思議な心地に誘われる。俳句という詩型がもたらす驚きの詩情を唯一無二の友として、宮澤ゆう子は己の生を証そうと無心に詠うからである。
(序より・向田貴子)
●自選10句
河童忌のうかと日焼けの鼻の先
ごきぶりを滅多打ちする気の弱さ
月さして正倉院裏雑仕町
秋潮のしりぞく迅さ断固たる
角伐られ雄鹿の誇りうろうろす
やすませてもらふ切株冬あたたか
寒いから燃やしてしまふ文その他
春陰や百済ぼとけに朱の退り
春愁ふ吾れに尻尾のあとの骨
淵を出てピカソの青の夏の蝶
*
[みやざわゆうこ(1946〜)「歴路」所属]
序・向田貴子
装丁・奥川はるみ
四六判上製カバー装
2009.05.14刊行
214頁