第51回毎日芸術賞特別賞を受賞
第2回 小野市詩歌文学館賞を受賞
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●待望の第十四句集
この日常に即する生活姿勢によって、踏みしめる足下の土が更にしたたかに身にしみてもきた。郷里秩父への思いも行き来も深まる。徒に構えず生生しく有ること、その宜しさを思うようになる。文人面は嫌。一茶の「荒凡夫」でゆきたい。その「愚」を美に転じていたを育ててゆきたいとも願う。アニミズムということを本気で思っている。
(あとがきより)
◆『日常』十五句より
秋高し仏頂面も俳諧なり
安堵は眠りへ夢に重なる鞨の頭
濁流に泥土の温み冬籠
左義長や武器という武器焼いてしまえ
みちのくに鬼房ありきその死もあり
長寿の母うんこのようにわれを産みぬ
民主主義を輸出するとや目借時
炎暑の白骨重石のごとし盛り上る
母逝きて雲枯木なべて美し
いのちと言えば若き雄鹿のふぐり楽し
*
[かねことうた(1919(1句1句)年生〜)/「海程」主宰]
装丁・君嶋真理子
四六判上製カバー装
240頁
2008.06.05刊行