[在庫僅か]と表示される商品はお手数ですが、在庫をお問合せいただきご購入下さい。「在庫あり」と表示されていても品切れの場合がございます。
[立ち読みする]
帯・深見けん二
第四句集
永らへしいのち虔しむ柚子湯かな
「虔(つつ)しむ」は、気をつけ、ひかえ目にすることである。作者は大正十一年生まれ、このところ少し体調を崩され、その中で、体を大事に、一日一日を生活されている。折から冬至の柚子湯、これまで永らえてきた自らの命に対して「虔しむ」とは、まことによい言葉である。加餐をお祈りする。
深見けん二(「花鳥来」64号)
●自選10句
かまくらに夜のまつさらな雪がまた
小気味よき音に一番茶を摘める
半蔀に観音の灯や夕時雨
(なし)青空の硬さが解け初蝶来
風ほどに散らざる花でありにけり
海へ出て鳶の高舞ふ五月かな
生きることひたすらなれば月涼し
芝を打ちけむる白雨となりにけり
永らへしいのち虔しむ柚子湯かな
留守をもる妻へ花買ふ十二月