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帯・小川軽舟
意識なき夫の時間や夕桜
夕桜に記憶をゆさぶられてこの句が生まれるまでに、夫を亡くしてから三年かかった。その三年の月日を私は尊く思う。句集名をいくつかあたためていた松原さんは、もう「夕桜」以外には考えられなくなった。この句集にふさわしい美しい名である。小川軽舟(帯より)
●小川軽舟抄出
シヤガールの馬は緑や初暦
初釜の一揖の帯きしみけり
鶴啼きて獣園の春さびしうす
夕月をあげたる八ヶ岳や青胡桃
三色菫明日停年の夫の靴
海に出て道終りたる秋の暮
えご散るや吾にも固定資産税
筒鳥に蕎麦一枚の昼餉かな
縁側に湯呑がふたつ笹鳴けり
黄落や精養軒の銀の匙