[立ち読みする]
帯・行方克巳
遺句集。
白天さんの俳句への旅立は
ずいぶん遅かった
しかし
いつの間にか仲間と肩をならべ
いつの間にか先頭を歩いていた
俳句のために日々があり
日々のために俳句があった
白天さん
いつ、どこでも私たちを待って
いてくれるような気がする
明日は 伏姫桜の下で
逢いましょう
行方克巳(帯より)
●白天漫歩一〇句
寒かりき何も無かりき夢ありき
蟻穴を出て太陽に嗚呼といふ
やつと今日ほんとにやつと暖かく
わが旅の冬ざれの川いくつ渡り
齢ひとつ加へ身に添ふ冬帽子
おんおんと謡ひて修す梅若忌
たつぷりの時間と自由街薄暑
鮭打たる千里を帰り来しからに
まだ咲いて十月桜十二月
汝が墓を枯野の果てに置きて来し