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帯・神蔵器
第三句集。
さらさらとさらさらさらと葭の風
平成七年十月二十七日から二十八日の風土鍛錬会。近江八幡から西の湖に至る水郷めぐりの所産である。単なる描写ではなく、実景そのものは打ち消され消化され、近江の歴史もそこに生きた人達の喜び悲しみも鎮めて、作者もまた近江の湖辺に生えて、十万石以上もの宝の岸辺の葭のただ一本となって、さらさらさらと風に鳴っている。神蔵器(帯より)
●自選10句
うつむきて白侘助の咲きはじむ
ふいに翔つ青鷺蔵ふ秋の天
鐘楼に絲檜葉の影十三夜
赤松の幹のうねりや大焚火
竹林の風よぶ小間の葭障子
白き芽の閭土割る夜叉薇
草茂る奥より阿羅漢さまの声
無縁仏万に送り火万点る
啓蟄や風土五百冊階上る
鉄橋の車輛吸ひ込む紅葉山