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帯・友岡子郷
第一句集。
山本華子さんは、飴山實に俳句を学び、やがて長谷川櫂主宰の「古志」に加わって、ひたすら正真の俳句づくりに努めてこられた。
その姿は誠実という一語に尽きる。
そしていつしか、その姿に応うるかのように、俳句のほうが誠実に作者の身近に近づいてきている。
この一集は、そういう作者と俳句との清らかな呼応を、つぶさに示すものであろう。友岡子郷(帯より)
●友岡子郷抜粋
わだなかを父の来るころ祭笛
花を待たずに先生は逝かれしか
綿虫は指さすたびに消えにけり
しんしんと雪積もるらん生家にも
土筆煮て土筆はかたち失はず
子の流す雛に手水送りけり
かあさんと誰かに呼ばれ桜の芽
一輪は明日咲くつもり二輪草
ほてい草水にうかべて商へる
ひるがへる葛の葉に夕汽笛かな