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◆現代俳句文庫シリーズ
日晒しの紙のこよりやわが祖国
◆収録作品
『秋ノ詩』(全句)
『風の銀漢』(全句)
『本郷菊坂菊富士ホテル』(抄)
「十月の菊、もしくは日本風景論」(抄)
「'94年度詩誌『投壜通信』より詩を狩る試み」(抄)
「そして」(抄)
「無題抄」(抄)
◆収録作品より
嗚呼!嗚呼!と井戸に吊され揺れる満月
木霊降るいちずに夕陽枷となり
日はひとたびの夢間めぐれる獄舎かな
椀に降る牢獄ながらの世は初雪
黒白の地図にて空の紺を煮る
木を揺りてしずかに狂う一語かな
怒髪は焼け衡は焼けて透ける耳のみ
秋の谷の一顧を許す不思議かな
背を透けて人かげ冬の山降りる
霙降るときどき見える人のかたち
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[おおいつねゆき(1948〜)]
解説:清水哲男 福島泰樹 武馬久仁裕
装丁:スタジオ・ギブ
表紙写真:武内理能
四六判ペーパーバック
104頁
1999.12.10刊行