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現代俳句文庫51『小澤克己句集』(おざわかつみくしゅう) [9784894024762]

販売価格: 1,200円(税別)

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嬰生まるはるか銀河の端蹴って 句集「青鷹」、「爽樹」、「オリオン」などに収録された2000句の中から400句を抽出した句集。

<風が噂ひろげしほどの芽吹山>
 風の吹く芽吹山を「写生」しても、よほどの達人でなければ芽吹きの状態まで活字することは難しい。又なまじの擬人法は句の品格を落とすだけであろうが、このユニークな発想によって、芽吹きの進行状態まで感じることができる。
林 翔 (解説「『青鷹』跋文」より)
<いつも陽の死角にありて浮寝鳥>
いつも陽の当らない場所を選んでいる浮寝の水鳥。それは多分鴨のたぐいと思うが、ここに作者の分身が読めても来る。敢て日当らぬ場所に身を置くことの、それは安逸とは全く質の異る虚無に近いものであろう。この句をなしてより十年。十年選手。私が「沖」の青年作家に望んだように、小澤克己もまた精一ぱい曠野を歩んで来たもののように感じられる。
佐藤 鬼房(解説「青鷹飛翔」より)


     西行の目をもつて入る木の芽山
     鴨引きし湖あたらしき空を負ふ
     嶺々をゆく雲に音あり破芭蕉
     悪霊がきてざわめきぬ黒葡萄
     高空に水あるごとし青鷹
     白鳥を見たしと妻の長睫

解説・林 翔 / 佐藤 鬼房
装丁・スタジオ・ギブ フォト イラスト・武内理能
四六判並製 104頁



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●著者略歴
小澤克己
昭和24年・埼玉県川越市に生まれる。昭和34年・初めて俳句を作る。昭和41年・詩を書きはじめる。昭和43年・大学時代。哲学、ヌーボーロマン、現代詩等の影響を受ける。昭和52年・俳誌「沖」入会。能村登四郎・林翔に師事。昭和55年・「沖」同人。同誌に評論を連載。昭和60年・佐藤鬼房主宰「小熊座」に、評論「艶の美学」を八十回に渡り連載。昭和62年・句集『青鷹』刊。平成4年・主宰誌「遠嶺」創刊。評論集『俳句の未来』刊。平成5年・句集『爽樹』、評論集『艶の美学』刊。平成7年・『処女句集と現在』(共著)刊。平成9年・「遠嶺」創刊五周年記念合同句集、句集『オリオン』、俳文集『俳句・俳景 身体計測』刊。平成11年・評論集『俳句の行方』刊。平成12年・句集『花狩女』刊。平成14年・主宰誌「遠嶺」創刊十周年記念『テーマ別作品集俳句の情景』(共著)、評論集『新・艶の美学』刊。現在・「遠嶺」主宰。(社)俳人協会・日本ペンクラブ・日本文芸家協会各会員
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