◆ 既刊3句集と第3句集「魚眼石」以降の句から精選400句を収録。
[立ち読みする]
秋の暮通天閣に跨がれて 既刊の「浦島草」「誕生日」「魚眼石」の抄出句と「魚目石」以降の句のほか、『船団』『俳句研究』などに掲載されたエッセイ5編を収録する。
「演じる俳句。これが美紗の俳句であろう。俳句の言葉にどのように演じさせるか、それが彼女の句法に違いない。実は、私はそのような彼女に刺激を受けたり励まされたりしてきた。私もまた、俳句の言葉たちを演じさせることに?けてきたから。つまり、美紗は私の前に現れたときから一種の同志、あるいは共演者だった。」 (解説より・坪内稔典)
七月や録音のわが笑ひ声
秋晴や父母なきことにおどろきぬ
跫音のなき白靴を選びけり
リラ冷えや先に届きし第二伸
立春大吉象が泳ぐといふ話
解説/香川ヒサ・坪内稔典 表紙フォトイラスト・武内理能
四六判並製 104頁
●著者略歴
内田 美紗
1936年、兵庫県・西宮市に生まれる。1983年ごろ、友人より借りた坪内稔典著『土曜の夜の短い文学』を読み、俳句嫌いを返上、作句をはじめる。1985年、「船団」(坪内稔典代表)創刊と同時に「船団の会」入会。1994年から2002年6月まで編集スタッフ。1987年、「門」(鈴木鷹夫主宰)創刊と同時に入会。1991年同人に。2000年、句集『誕生日』により門賞受賞。俳人協会会員