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帯・行方克巳
朋さんの俳句の基調をなすものは
深くて暖かい家族への思いである
句集『白鷺』は、そういう情愛に
充たされている
その中で ときおり一人の女性と
しての作者の詩心がうかび上がる
無愛想に売る風車廻りづめ
思ひまたもとに戻れる羽蟻の夜
括られてゐても奔放雪柳
などがその時の作品である
これもまた朋さんの持つ俳句世界
なのである
(帯より)
●自選10句
留学の子の麻服の匂ひけり
紀の国の木の美しや天高し
白木蓮に沿線の朝始まりぬ
朝桜少年鮒を釣りあげし
蝉涼し古書市にはや客の立ち
斎王の旅路憶へばほととぎす
耳遠くなりしと思ふ花野かな
安土より余呉へ流るる雲は秋
読み尽したたむ朝刊終戦日
追善の父情惻々涅槃絵図