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序句・鷹羽狩行
鑑賞八句・鷹羽狩行
跋・田中春生
木道の先を隠して花野かな
千草八千草の溢れている花野の別世界の神秘性をアピール。
草餅の色となりゆく臼の中
青柚子のやうやく数を見せはじむ
変化を詠むのがむずかしいという俳句の常識を破った。
俳句を詠む喜びと、俳句を読む楽しさを改めて与えてくれる句集である。(帯・鷹羽狩行)
湾を出て水平となる初飛行
繕ひて不揃ひとなり猪の垣
暖かや雀木の上石の上
蚊帳吊りて川音近き父母の家
水際に暮色きてをり花菖蒲
草餅の色となりゆく臼の中
朝涼や反り身に仰ぐ大鳥居
木道の先を隠して花野かな
青柚子のやうやく数を見せはじむ
鉦叩虫しぐれには加はらず
(鷹羽狩行抽出)