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帯、跋・太田土男
春泥や老いても子には従はぬ
小山内さんとつきあっていると、正しく津軽の人だと思う。訥々とした津軽弁が、人柄を表しているようで、親しさが湧く。「老いても子には従はぬ」は格別に痛快だ。春泥を取り合わせたことも納得がいく。
太田土男
雪国の子の青空へ駈け出せり
若草や仔山羊口より乳こぼす
大雪を何のなんのと笑ひけり
寒昴筋通したきことのあり
除夜の鐘母のみが知る若き父
鮟鱇の口頑なに糶られけり
肩書きも名刺も無くて年新た
かたつむり山はつきりと見えて来し
五能線りんご畑に停まりけり
竹の春一から学ぶことのあり