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序、帯・鈴木鷹夫　

すこしずつ父と別れて龍の玉
「すこしずつ父と別れて」はという散文を見事韻文と作者の俳句の技量で詩に高め、同時にやがて来る父との別れの切なさを裏に隠し得た秀作であろう。（帯・鈴木鷹夫より）

●自選一〇句
肩車簿で下知を下しけり
ほうたるを鏤め母の訪ね来る
薄目せよ見をさめといふ花吹雪
いのちみな濡れて生まるる春山河
水の星に棲み春雨に濡れてゐる
機首ぐんぐん莟のごとく浮寝鳥
系図には女とのみよ実むらさき
全身麻酔トンネルにどつと霧
曳航の鋼のごとき裸かな