◆精鋭俳句叢書serie de la neige
[立ち読みする]
栞・小川軽舟
長嶺さんは日常生活の中で無理に背伸びをすることもなく、その細部に丁寧に詩を見出していく。その姿勢が私は好きだ。 (栞より)
◇自選十五句から
蝌蚪過ぎるひとかたまりの蝌蚪のうへ
涼しさや香炉ひとつが違ひ棚
浮かび合ふことの愉しき冷し瓜
忘られて金魚は部屋に生きてをり
立ちしまま化粧ひて朝の涼しさよ
階段に鉄の隙間の薄暑かな
古今集ひらけば夜々に鳴く鶉
クレソンのあをあをと冬来りけり
午過ぎの寒き灯となる魚市場
水飲みて言はざる一語夜の雪
[ながみねちあき(1959〜) 「ににん」同人]
栞・小川軽舟
装丁・君嶋真理子
定価 本体2400円+税=2520円
4/6判並製小口折表紙グラシン巻き
168頁
2008.09.09刊行