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◆ 精鋭俳句叢書serie de la neige
栞・筑紫磐井
仙田さんの俳句の特徴はメリハリの利いた表現と、理知と情感の融合にあると思っている。(略)評論で培った思念が、仙田洋子という作家の独自性を裏打ちしている。(栞より)
百年は生きよみどりご春の月
をさなごに生ふる翼や桜東風
雲の峰水の子にしてひかりの子
眠る子の息嗅ぐ月の兎かな
さみだるる沖にさびしき鯨かな
はるかよりまたはるかより秋の蝶
その恋を断てと狐火あらはるる
記紀の山よろこぶごとくふぶきけり
鳥雲に入るや荒ぶる魂となり
海峡のてふてふ淋しくはないか
[せんだようこ 「秋」「天為」同人(1962〜)]
栞・筑紫磐井
装丁・君嶋真理子
定価 本体2400円+税=2520円
4/6判並製小口折表紙
228頁
2008.08.03刊行