[立ち読みする]
◆ 第一句集
序・関戸靖子
いま、お二人は静かな余生の中にいらっしゃる。みずどりが好きで宇治川に?が、そして鴨が来たことをいち早く私に教えて下さる。お二人の句集名を私は『鴛鴦』と決めていた。じっくりとしかし楽しく読んであげて欲しい。この世にこんなに仲の好い誠実な俳人夫婦のあることを忘れないで欲しい。(序文より)
寺島登
大手門音立て閉ざす夕桜
源三位頼政塚に実梅落つ
狐火の明智の藪に消えにけり
麦秋や沖に小さき竹生島
子の船の位置確むる夜長かな
寺島とみ
がうがうと川は流れて頼政忌
子は船へ還りて虫の残りけり
涅槃図の櫃暗がりに置かれあり
釣釜の火のくたびれて来たりけり
金閣寺しぐれ銀閣寺もしぐれ
[てらしまのぼる てらしまとみ
「泉」同人 「聲」会員]
定価 本体2476円+税=2600円
装丁・君嶋真理子
序・関戸靖子
4/6判上製カバー装
232頁
2008.07.26刊行