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◆ 『眠れぬ鹿』に次ぐ、著者第二句集
紫野 大徳寺の近く
雲林院町に住んでいる
昔ここは
紫野という広大な荒野
平安時代に
雲林院という離宮があった
私は今 その離宮の
お庭の池のあたりに
住んでいるらしい
==========著者(あとがきより)
箱庭に置くおぢいさんおばあさん
金魚にはきつと歪んでゐる私
秋鯖のここはどこだといふ眼
セロリ噛む若い男は疲るるよ
こんにちはではさやうなら冬帽子
たんぽぽにちよつと奥様うるさすぎ
装丁・君嶋真理子 四六判変形上製カバー装 140頁