◆ 第二句集
[立ち読みする]
月の詩を
李白にならへ
酒もまた
一孝
李白」とは敬愛する詩人の名であると同時に、僕にとつては、文學の傳統を象徴する謂もある。
◇ 自選一〇句
龍の玉雌伏のいまとおもふべし
嶺々の名を教はりてどれも雪
今日留守と言ひおけ柚子の花咲けば
糸瓜垂る仰臥漫録の繪のやうに
明星も月も低きに薄原
ものを書くほかは雲見て冬籠
鞦韆漕ぐ母を泣かせし日のごとく
木曽谷の駒の眠りに天の川
通ひ婚めくや青蚊帳吊りければ
扇置く知命の齢まぢかにて
うえのいっこう 「杉」同人(1958〜)
定価 本体3000円+税=3150円
装丁・君嶋真理子
菊判変型上製カバー装
178頁