◆ 第二句集
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よい方へものを考へ返り花
何が起こっても、つねに「よい方へものを考へ」ようとする。これは鈴木伊都子さんの生き方そのものであろう。もしかすると返り花も「よい方へものを考へ」て咲いているのかもしれない。(鷹羽狩行)
◇鷹羽狩行抽出
相槌をあいまいに打ち春炬燵
首細くなりし思ひの籠枕
そのうちに背を向けられて竹婦人
神の決め給ひし方へ蓮の実飛ぶ
しばらくはひとかたまりの稚鮎かな
よい方へものを考へ返り花
春宵の少しめくれて鏡掛
まだ着かぬ一行のため榾を足す
こゑもたぬもの美しき走馬燈
草市や抱へしものに風生まれ
すずきいとこ「狩」同人
定価 本体2476円+税=2600円
鑑賞四句/帯・鷹羽狩行
装丁・君嶋真理子
4/6判上製カバー装
184頁