◆ 第一句集
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「遠き日の恋は菫の揺るるほど」
「遠き日の恋」は、誰でもみな同じ思いであろうが、「菫の揺るるほど」と託した作者の思いが素晴らしい。(序文・木村敏男)
◇(自選一〇句)
ふる里の菜畑は風の道しるべ
カプチーノいかが窓辺に春の鳥
還暦に架くる橋桁草おぼろ
蓮ひらく私の羽化のはじまる刻
虹立てり吾子へボーイズビアンビシャス
赤とんぼ指へ唇づけして秘密
新涼や翼つくろふ人力車
ゆつたりと銀河へ梳きし束ね髪
一日を合掌で閉ぢ豊の秋
白鳥来空どこまでもクリスタル
たかはしあやこ「にれ」「澪」同人(1950〜)
定価 本体2476円+税=2600円
序・木村敏男 跋・椎名智惠子
祝文・荒巻義雄 題簽・椎名智惠子
題字・高橋宏 表紙絵・高橋伸
装丁・君嶋真理子
4/6判上製カバー装
216頁