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◆ 第五句集
「在りし日の故土めく此処も柿たわわ」柿は故郷のシンボルなどの他、句作時の動植物に接しているとまるで人間の心を宿し映している様子に見えてくる。その様を詩的に捉えた句が「詩情的心映句」。これからもその句に向って日々努力する心算である。
(あと書きより)
◇自選一〇句
秩父路は綿虫びより風も去り
在りし日の故土めく此処も柿たわわ
故父の居に入りて母かつ山笑ふ
故父母かも触るる青柿いま温き
未知の地も暫時ふるさと柿たわわ
いま亡師あふぐ句づくり?花梨
今ここも木いな家守る柿たわわ
テレビ今「ハンカチ王子」拭く濁世
麥秋の車窓またしも異土も故土
故土と云ふ寄辺また此こ柿たわわ
あらいみなじ「寒雷」同人(1941〜)
定価 本体1905円+税=2000円
装丁・君嶋真理子
4/6判上製カバー装
192頁