帯・序文 埴谷雄高
すべてをみた。須賀子と野枝と文子とらいてうのあと、すべてを見たことが、藤岡巧にとってより重い困難のはじまりである。荒涼たる地平に出た自らをその自ら自体だけによって越えゆかねばならないのである。(帯より)
「いくたびか 蝶の舞う夢 追いしこと もはや追わぬと 決めてより立つ」-「風を編む」「風の婚」に続く著者の第三歌集。
●目次
藤岡巧さんを推す/埴谷雄高
幻抄
逆巻く
視線が歪む
彩を添え
ゲームであって気分
落としたものはなんですか
鬼ごっこ
鳴りやまず
何処から何処へ
吹き抜ける夏
うしろの正面
追憶
青草のころ
冬草のころ
時を食む
風に会いたい
あとがき