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第1句集。人事の句は少く、自然の句が多いが、いずれにしても、奇をてらわず、日常誰もが見ているものを材料にして、立派に句にしている。総じて、生活そのもの、生活環境のよく出ている句集である。その中には古い日本が残っている。
春の灯の白々としてともりけり
しまひ湯の頃降り出でぬ春の雨
春浅きうすむらさきの涌湯かな
●著者略歴
1940年仙台市に生る。1988年中日文化センター俳句講座受講開始、桑原鯨音先生に師事。1996年浜松若葉会入会、「若葉」に投句始む。清崎敏郎先生に師事。1999年鈴木貞雄先生に師事、現在に至る