◆ 著者第一句集
述べすぎない。ナルシシズムに陥らない。理屈を並べない。その上で、作品には過不足なく自己を投影しようと努力を重ねてこられた。 謙虚に、怠りなく、句作を持続すること、これは並の生き方ではむつかしい。
黒田杏子(序文より)
げんげん田過去完了を教へけり
夕蓮願ふことなく祷りけり
辛夷の芽空より冷えてきたりけり
人死して夕暮となるさくらかな
緑蔭にとぢこめられてすこし老ゆ
炭ついでなんといふことなくさみし
母よりは自在に生きて冬の草
序文・黒田杏子 装丁・君嶋真理子 装画・今村 裕子
四六判上製カバー装 180頁
●著者略歴
1941年10月17日生。1964年3月神戸女学院大学卒業。1986年4月「市川あんず句会」入会。1990年9月「藍生」創刊と同時に入会。現在、「藍生」会員、俳人協会会員