◆ 著者第一句集
遊太俳句には、今、ここに生きている作者が、確と顔を出している。そこが強い。この自在さ、この無邪気なはずみ心の表出こそ、爽波が求めた「自由闊達な世界」だ。『月白』には、爽波の真の俳句精神が脈々と受け継がれている。辻桃子(序文より)
本当の遊太さんの作品は、これ等優等生的な句とは一味違ったところにあるのではないか。ジェントルマンではあるけれど、敢えてそのジェントルマンの枠をはみ出してしまう、そんな天衣無縫さ。そんな自在さこそが遊太さんの世界なのではないか。西野文代(跋文より)
土左衛門浮きしと聞くや草いきれ
夜のプールもぐりて浮いて月があり
とらせます出します梅雨のパチンコ屋
西鶴忌ミラーボールの女どち
二ン月をちんちろりんと溲瓶かな
月白の馬場より人の去りにけり
序文・辻桃子 跋文・西野文代
装丁・君嶋真理子 カバー/口絵写真・高幣遊太
四六判上製カバー装 213頁
●著者略歴
1927年6月12日生。医師・医学博士。1962年大阪府堺市にて町の開業の医師として開院。28年間で閉院。1985年「青」入門。1992年「童子」入門、維持会員。1999年「文」会員。2001年「童子」の「桃夭賞」受賞。現在「童子」同人