◆ 句集『双蝶』に次ぐ第二句集
節子さんは感性の人である。彼女は対象をそのまま表現するのではなく、目で見たものを一度心の中にとり入れ、感動だけを取り出し、
< わが年の貌くもりなき初鏡 >
改めて自分のことばで表現する。そこから節子さんらしい、彼女ならではの俳句が生まれる。高橋悦男(帯文より)
コーヒーのミルクの渦や今朝の冬
灯を消して女雛男雛の閨となる
舟盛りの目玉大きく夏料理
買初や念願叶ふペア時計
豹眠る落花に四肢を投げ出して
身に入むや乾びし母の貝の紅
冬桜夢のかけらのごと散れり
帯文・高橋悦男 装丁・君嶋真理子
四六判上製カバー装 198頁
●著者略歴
昭和7年栃木県生れ。昭和55年「しらかし句会」入会、高橋悦男に師事。昭和58年「海」創刊入会。昭和60年海同人、俳人協会会員。平成4年海同人賞受賞