◆ 著者第二句集
前句集『草紅葉』を喜んでくれた夫がなくなりまして十年たちました。平成三年から十三年までの句の中から選びました。著者(あとがきより)
泣く吾を夢に見し夜の沈丁花
みつみつと咲きし金柑夫の留守
春の鴨水尾のひかりを交はし合ひ
子の言葉やさしかりける単帯
柿もぎの夕日ながらの梯子かな
螢や恋の吐息もありぬべし
沢音の絶えざる空の柚子の数
みちのくのどこもかしこも藁ぼっち
病葉の吹かれ流るるひと葉あり
装丁・コスギヤヱ 四六判上製カバー装 190頁
●著者略歴
旧姓・青木。昭和3年東京に生まる。昭和28年より一時「駒草」にて学ぶ。昭和56年「泉」入会。昭和63年「泉」同人。現在、「泉」同人、俳人協会会員