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◆ 『雪間草』に次ぐ第二句集
<緒の切れて真珠散らばる春の闇>
佳句は枚挙にいとまがない。よくここまで、と思うと私は胸がいっぱいになる。「私に俳句があってよかったと思う」、「俳句のことを考えている時間が楽しい」と仰言って、遅まきながら咲き始めた、上子すてさんの俳句の花はしっとりとして何と端麗なことか。
関戸靖子(跋文より)
初鏡立たせて夫の躾とる
藤棚や烏帽子とほりて房揺らす
早苗田のはや風筋のあらはるる
白壁の町をとほりし藍日傘
盆灯籠吾れの色絵を言ひておき
寒月光吾が老の影つまびらか
跋文・関戸靖子 装丁・君嶋真理子
四六判上製カバー装 195頁
●著者略歴
大正11年2月宇治市に生る。平成元年俳句に志す。平成2年関戸靖子先生に師事。「声」会員