書籍詳細

飯塚やす子句集『衣桁』(いこう) [9784894025361]

販売価格: 2,400円(税別)

(税込: 2,640円)

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◆ 即物有情のよろしさ
< 雛の間の衣桁にかけし喪服かな >
 女子の将来や希望を思わせる雛祭、その部屋に吊るされた喪服。その色彩の赤と黒を通じて生と死の対比が根本にある句。
 一方、雛のかもし出す幻想の世界にいざなわれて、まるで王朝の頃の葬いを思わせるところもあろう。「衣桁」という言葉の働き。
鷹羽狩行(鑑賞三句より)


     縋るものなし水馬水掴む
     どの蔓をたぐらば寄らむ烏瓜
     うぐひすや天にも地にもほめくもの
     同じ田に育ちし金魚撰り分ける
     人声のすこし暑くて八重桜
     月光の海より上がる冷し馬
     日向ぼこ背中に羽の生えさうな

序句/鑑賞三句・鷹羽狩行 跋文・田中春生
装丁・君嶋真理子 四六判上製カバー装 195頁

●著者略歴
昭和4年5月10日大阪府堺市生まれ。昭和44年「天狼」入会。平成4年朝日俳壇賞受賞。平成6年「天狼」終刊。平成6年「狩」「幡」入会。平成9年「幡」退会。平成10年狩20周年大会賞受賞。現在、狩同人、俳人協会会員
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