◆豈weekly@閑中俳句日記(15)角田登美子句集『鉾稚児』 ◆第一句集白湯飲んでひと日紫陽花いろの息まさに女性の俳句。なぜ「白湯」でなければならないかというと後に「紫陽花いろ」という言葉が出てくるのでかなり計算された句だということが分かる。女性のナルシズムを見せた美しい句。(序より:能村登四郎) ◆掲載句より蝶生れて陽に会ふまでの濡れのいろうすずみの夢の端にゐて明易き梅漬けて厨の冥さ封じけり母の日を過ぎさりげなきもの貰ふ透明な過去しか持たず青葡萄梅のこと書出しにして悼み文白樺の白ぞつくりと冬に入る*[かくだ・とみこ(1927〜)「沖」同人] 序:能村登四郎跋:林 翔装丁:亜令四六判上製クロス装函入り212頁19900710刊行