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◆ 第一句集
「木偶の首さげてゆくなり霜の橋」長良さんの俳句のいちばんの魅力は、その立ち姿が美しいことだ。といっても、巌のようにどっしり踏んばっているのではない。さながら能役者のように静かに橋掛かりを進み、すっと止って扇を上げる。そんな無重力の立ち姿である。
(小川軽舟)
◇『霜の橋』一〇句・・小川軽舟抄出
白山を指さすわらべ春祭
食堂へ稚児の入りたる遅日かな
雲白く谷川夏を急ぐなり
草引いて蟻の大国乱しけり
二の腕を見せて点しぬ走馬灯
沖に見し港に着きぬ秋の暮
狐火や記憶に兄の手を?む
飛火野の楠の大樹や七五三
年の夜の僧来て樞落しけり
琅(王干)の比良や汀の氷りそむ
おかざきちょうりょう「鷹」同人
定価 本体2857円+税=3000円
序/帯・小川軽舟
装丁・君嶋真理子
4/6判上製函入り総クロス装
202頁