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◆ 第二句集
齢重ねていよいよ人生過客の思いが深い。ゆかりの地米沢京都への思慕を点じつつ、春秋旦暮の興に遊ぶ悠揚たる一集がここに在る。
(綾部仁喜)
●綾部仁喜抄出
夕鵙やはるかなるものかへりくる
みちのくのお城の町の夜店かな
落葉焚く妻美しと遠く見る
盃にほどきてゐたる懐手
師の声の風の嵯峨野に着ぶくれて
降り逃げの雨とも云ひて川床料理
遠き日へ誘はれゐる枯野道
捲き上げて細き簾や路地の秋
野火止の土手いつぱいの諸葛菜
秋色や机に凭れば京の夢
ひろいしんいち「泉」同人(1919〜)
定価 本体2476円+税=2600円
帯・綾部仁喜
装丁・君嶋真理子
4/6判上製カバー装
224頁