書籍詳細

大柿春野句集『日向水』 [9784894025019]

販売価格: 2,400円(税別)

(税込: 2,640円)

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◆ 著者第一句集

<全身で物言ふ孫に日の永き>
<梅咲くや小暗きところ水はしり>
<海苔粗朶を洗ふ夕浪つぶやけり>
<老ゆるとも何かをせねば麦の秋>
 前半に収められた作品であるが、どの句も非凡な力で読みこなされている。一句目も単なる愛情に溺れた「孫俳句」に終わらせることなく実をしっかり捉えている。二句目、探梅でみつけた自然の中の梅の木であろうか。
 三句目、夕浪がつぶやくと言う擬人化がおもしろい。四句目、まだ六十代の頃の作品と思うが、老いてもなお何かをしていかなければと言う思いがあり、人生を前向きに生きていこうとする姿が窺える。
能村研三(序文より)


     実紫蘇摘む夫との月日いとほしみ
     ひとり居の水底めきし夜の秋
     あれこれと迷ふ老いさき日向水
     きらきらと生きたし卒寿の白浴衣
     すこしだけ手抜きの気儘老の冬

序文・能村研三 跋文・渡辺昭
装丁・君嶋真理子 四六判上製カバー装 179頁

●著者略歴
明治41年3月30日栃木県栃木市にて熊倉茂吉(医師)の次女として生る。大正14年栃木高等女学校卒業。昭和8年大柿金一郎と結婚。昭和45年10月「沖」創刊号に初投句。入会以来現在に至る
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