◆ 著者第一句集
『ラムネ玉』は、さわやかでなつかしい音がする。
『ラムネ玉』は、空の色、水の色、流れゆく時間の色でもある。
『ラムネ玉』を透かして見た一句一句に、私は桃衣さんの魂のしなやかさを感じる。
行方克巳(帯文より)
俳句の魅力に目覚めた時、人は内なる声に気づく。その声を表現する手段を得て、自分自身を再確認するゆくたてが、この句集には収められている。
西村和子(序文より)
ファインダーに入り切れない花野かな
水底の空を駆け抜け寒鴉
亀の子の泳ぐ手足のやはらかし
蝶々の夢の続きを飛びわたり
いつまでもルオーに佇てる冬帽子
ラムネ飲む釣銭少し濡れてをり
流されてゆくは小鴨か佇つ我か
ハンカチーフきつぱりと言はねばならず
序文・西村和子 帯・行方克巳 表紙・白銅鏡(採拓・冨永將暉)
装丁・君嶋真理子 四六判並製小口折 201頁
●著者略歴
本名・高橋美千子。昭和28年3月10日神奈川生まれ。フェリス女学院中学・高校を経て、東京外国語大学インド・パキスターン語科卒。平成5年朝日カルチャーセンター「清崎教室」入門。平成11年「知音」同人。俳人協会会員